乳児検診などで

でべそがあるんですけど、、、放っておいてもいいですか?
と、聞かれることがよくあります。 さてどうでしょうか?
受診の目安、自宅でできることなど、医学的にくわしくお話しします。
でべそは、医学的には、臍ヘルニアと呼びます。
赤ちゃんのへその部分がポコッと飛び出す状態を指します。
これは、赤ちゃんの臍(へそ)にある腹壁の筋肉の隙間から腸や脂肪組織が皮膚の下に飛び出すことで起こります。
原因
胎児の発育中、臍帯(へその緒)が通る穴(臍輪)があり、出生後にこの穴が閉じていきます。
しかし、時に完全に閉じきらない場合があります。
腹壁の筋肉や結合組織が未熟で、臍輪が開いたままになっている。
泣く、咳をする、便秘などによるいきみで腹圧がかかると、臍輪から腸が押し出されることがあります。
特徴
- 見た目
へその部分が丸く膨らむ。大きさは米粒程度からピンポン球くらいまでさまざま。 - 触ったときの感触
柔らかく、軽く押すと中に戻ることが多い。 - 痛みの有無
通常、痛みはなく、赤ちゃん自身も気にしていないことがほとんど。 - 頑固な便秘 便が出にくいお子さんもいます。
治療
臍ヘルニアの多くは、治療を必要とせず自然に治る場合が多いです。
生後1歳頃までに、90%以上の赤ちゃんで臍輪が自然に閉じ、ヘルニアが治るとされています。
特に、臍輪の直径が1〜1.5cm未満の場合、治癒する可能性が高いです。
へそを中に押し込み、テープなどで押さえる治療法
- 2歳以上になっても治らない場合
- 臍輪のサイズが大きい場合(2cm以上など)
- 嵌頓(かんとん)ヘルニア(腸が挟まり血流が悪くなる状態)を起こした場合
- 日帰りまたは短期入院で行うことが多いです。
医学的には問題になることは少ないのですが、整容面での問題があります。

そのままにしておくと、長期間伸ばされた皮膚がたるんでしまい、
ヘルニアが治癒しても、皮ふのたるみが残り、お子さんが大きくなった時に気になる事もありますね。
そんな時には、綿球圧迫法を行います。
・綿球を臍ヘルニアに押し当て、その上からテープで固定する
・最初は、1週間おきに通院し、病院で綿球とテープを交換する
・パパやママにも手技を覚えてもらい、自宅でも交換できるようにする
・皮膚のたるみが改善し、ヘルニア完治後も綺麗な形状のおへそに
・便秘が改善する
・2週間くらいで少し小さくなったと感じられるお子さんが多い印象です。
数か月テープを貼ることで、皮ふがかぶれることがあります。
この場合は、テープの貼る場所を毎回変える、少しお休みするなども効果的です。
以前、綿球圧迫法をしていたお子さんのママがお勧めしてくれた、こちらのハイドロジェルパッド
テープによるかぶれで、臍周りの皮膚がガサガサになってしまい、こちらを使用したようです。


赤ちゃんのお肌はデリケート、綿球圧迫法は数か月続くこともあるので、お肌に優しいものを選びたいですね。教えてくれてありがとう。
気をつけるポイント
- ヘルニアが硬くなり、押しても戻らない
- 赤ちゃんが激しく泣く、または不機嫌になる
- ひどい便秘
- ヘルニア部分が赤くなり、熱をもつ
まとめ
臍ヘルニアはほとんどの場合、赤ちゃんの健康に深刻な影響を与えるものではありません。
焦らず、経過を観察することで自然に治る可能性が高いです。

しかし便秘のお子さん、ふくらみが大きく整容面で気になるお子さんは、
早めに綿球圧迫法を試すことで、症状が改善することがあります。
まずはぜひご相談くださいね。

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