
パパ
頭をぶつけてしまいました・・・受診した方がいいでしょうか?
これは診療でよくあるご相談の1つです。
どんな時に受診したらよいのか、家ではどうケアすればよいのか不安になりますよね。

そらまめママ
ケガは急に起きるものです、どういう時に受診しえ、どういう点に気を付けて経過をみればよいのか知っておくと安心ですね。
1. まずは落ち着きましょう
- 子どもが泣いている場合は、落ち着いて声をかけて抱きしめ、安心させましょう。
- 頭部のぶつけ方や子どもの反応をよく観察してください。
2. 怪我の有無を確認
- 出血している場合
- 傷口をきれいな布やガーゼで圧迫して止血します。
- 腫れている場合
- 冷たいタオルや保冷剤をタオルに包んで患部を冷やします。

そらまめママ
多くの傷はしっかり圧迫することで止血できます。ゆっくり焦らず、しっかり押さえましょう。
しっかり押さえても血が止まらない
傷が深く、縫合などの処置が必要な可能性があるので、受診するようにしましょう。
3. 注意深く観察する
ぶつけた後の子どもの様子を確認してください:
- 意識がはっきりしているか。
- 嘔吐があるか(1回の嘔吐だけでは必ずしも危険ではありませんが、繰り返す場合は注意)。
- 普段通りの動きや話し方をしているか。
- 頭痛やぼんやりしている様子がないか。
4. 緊急性が高い症状、すぐに受診が必要

そらまめママ
以下の場合には、早めに受診するようにしてくださいね。
➀意識や行動の異常
- 意識を失った(短時間でも失神があれば注意が必要)。
- ぼんやりしている、反応が鈍い。
- 異常に眠たがり、起こしても目覚めにくい。
②神経学的な異常
- けいれん発作が起きた。
- 瞳孔の異常:左右の黒目の大きさが違う(瞳孔不同)。
- 目が泳ぐ、または焦点が合わず、ぼーっとしている。
- 手足の動きに左右差がある、または動かせない部位がある。
- ふらつきやバランスが取れず、ふらふら歩く。
③嘔吐
- 繰り返す嘔吐(複数回以上)。
- 嘔吐後も機嫌が悪い、または元気がない。
➃頭部の異常
- 頭蓋骨の変形や陥没がある。
- ぶつけた部分が異常に腫れている(特に前頭部や側頭部の場合は注意)。
- 耳や鼻から透明な液体や血液が出ている(髄液漏の可能性)。
⑤その他の症状
- 強い頭痛を訴える(年齢により訴え方が異なるが、泣き止まない場合も含む)。
- 耳鳴りや視覚の異常(「見えない」と言う場合など)。
5. その後の経過観察
上記のような症状に当てはまらなければ、48時間程度、注意深く観察を続けましょう。
遅れて、上記のような症状がでてくることもあります。

そらまめママ
いつもと違う行動や機嫌、動作が見られたら早めに相談してくださいね。
普段一緒にいるパパママにしか気づけない、ささいな変化は大切です。
「念のため」でも診察を受けることは大切です。
6. 未然に防ごう
工夫できること
- 家庭内では、家具の角にクッションを付ける、床にクッションフロアをひくなど、子どもが頭をぶつけにくい環境を整えましょう。
- どんな状況で頭をぶつけたのか、受診された際には、詳しくお話しをする必要があります。ぜひ落ち着いて思い出してくださいね。
7. 高エネルギー外傷って聞いたことありますか?
強い外力が体に加わることで起こる外傷のことです。
転倒や軽い衝突とは異なり、重大なケガや体内の臓器損傷を引き起こすリスクが高いため、迅速かつ適切な対応が必要です。
高エネルギー外傷が起こる主なシチュエーション
- 交通事故
- 車や自転車、バイクでの事故。特に高速での衝突や巻き込み。
- 高所からの転落
- 1メートル以上の高さからの転落(特に頭部や背骨への衝撃が強い)。
- 激しいスポーツ事故
- ラグビー、サッカー、スキーなどの競技中の衝突。
- 圧迫事故
- 建物の倒壊や重い物の下敷きになるケース。
- 機械に巻き込まれる事故
- 工場作業中の機械や農業機械による事故
高エネルギー外傷では、衝撃が全身に及ぶため、
表面的なケガだけでなく内部臓器や骨、血管、神経に深刻な損傷が隠れている可能性がある。
一見軽い外傷に見えても、後から重篤な症状が出現することがある。

そらまめママ
上記のような事故に当てはまる時には、早めに受診をお願いします。
8. まとめ
お子さんの成長の中でケガは避けて通れないもの。未然に防げないことも多いです。
ですが上記のポイントを知っていれば安心して、自宅で経過をみれそうですね。
ママやパパの焦りはお子さんに伝わります。ぜひ落ち着いて対応しましょう。

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