
便がなかなか出ない、少ししか出ない、時間がかかる・・・便秘かも?
お子さんがお腹を痛がっている、排便に時間がかかる、踏ん張っても出ないと心配になりますね。
この記事では、便秘とは? 硬い便が出たときのケアの仕方についてお話しします。
1. 便秘とは?
便秘とは、便が腸内に長期間留まり、排便が難しくなる状態です。

正常な排便頻度は子どもの年齢や体質によっても異なりますが、1日に1~2回から週に3回程度が一般的です。
排便回数が少ない、排便時に痛みがある、硬い便が頻繁に見られる、硬い便のために肛門が切れて出血するなどの場合、便秘と考えられます。
2. ブリストールスケールで便の評価をしよう
ブリストールスケール(Bristol Stool Scale)は便の形状を7段階に分類したスケールです。
| タイプ | 説明 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1 | 硬いコロコロ便 (ウサギの糞のよう) | 便秘 |
| 2 | 塊がまとまった硬い便 | 便秘 |
| 3 | 表面がひび割れた ソーセージ状の便 | 理想的 |
| 4 | なめらかな ソーセージ状の便 | 理想的 |
| 5 | やや柔らかい便 | 軽い下痢の兆候 |
| 6 | 粘り気があり不定形な便 (泥状便) | 下痢 |
| 7 | 液状の便 (水様便) | 重度の下痢 |
タイプ1または2が便秘
タイプ3や4が理想的な便です。
絵がある方がわかりやすいですね。お子さんの便はどうでしょうか?

3. 子どもの便秘の原因
- 食事習慣の問題: 食物繊維や水分が不足すると便が硬くなります。
- 生活習慣: 排便を我慢する(特に学校などで)ことで便秘を引き起こします。
- 活動量の不足: 運動不足は腸の動きを低下させます。
- ストレスや心理的要因: トイレトレーニング中は便秘になるお子さんが多いです。環境の変化が影響することがあります。
- 病気や薬の影響: 鉄剤などを内服すると便が硬くなる傾向にあります。また熱が出た後などに便秘になってしまうお子さんもいます。
- 新生児はそもそもの踏ん張る力が足りずにうまく出せないこともあります。
4. 便秘の治療法とケア
家庭でできるケア
- 食事改善:
- 野菜、果物(特にプルーンやキウイ、ミカン、ブドウ、リンゴなど)、全粒穀物などの食物繊維を多く含む食品を摂る。
- 十分な水分摂取を心がける。
- 発酵食品(ヨーグルト、味噌など)は腸内環境を整えるのに効果的。
- 排便習慣の確立:
- 毎日同じ時間にトイレに行く習慣をつける。
- 朝食後に排便を促す。朝にゆっくりする時間をとる(実際はなかなか難しいですが・・・)
- 運動:
- 適度な運動(例えば外遊び)は腸の働きを活発にします。お腹のマッサージなども効果的。
- 赤ちゃんの場合には腹ばいにする時間を設ける、足をよく動かすなどもよいです。

まずはこのようなケアで改善するか確認しましょう。無理な時には、医師にご相談をされると安心ですね。
薬物療法(必要に応じて医師と相談)
➀浣腸や座薬:便意を感じていきんでいるのに出ない場合などに効果的。市販のものも可。

赤ちゃんの場合には、綿棒浣腸もいいですね。下にやり方を記載します。
②浸透圧性下剤(モビコール、酸化マグネシウムなど): 便の水分量を調整し、便を柔らかくする薬です。長期的に内服しても慣れがなく安心です。
③刺激性下剤(ピコスルファートナトリウム、センノシドなど):腸を活発に動かし排便を促すお薬です。長期的な内服はお勧めしません。
➃整腸剤:ミヤBMやビオフェルミンなどの整腸剤のみでコントロールできる便秘もあります。
⑤マルツエキス:腸内細菌の餌となる麦芽糖、これを内服し腸内環境の改善を図ります。新生児~乳児までによく使用します。
➀浣腸や座薬+②浸透圧性下剤で開始することが多いです。
それでも改善のないひどい便秘の場合には③刺激性下剤を追加することもありますが、腹痛の原因になったり、体が慣れてしまうことがあるので③は極力使わないようにしたいですね。
③を一時的に使ったとしても、③を使用する回数を極力少なくするように調整していく必要があります。
➃や⑤のみでよくなる軽症の便秘のお子さんもいます。
綿棒浣腸について
便秘で困っている乳児や幼児に対して、家庭で安全に行えるケア方法の一つです。以下に、具体的な手順をわかりやすく説明します。
- 赤ちゃん用の綿棒(先端が丸いもの)
- ベビーオイルやワセリン、オリーブオイルなど(潤滑剤として使用)
- おむつやタオル(便が出たときのため)
- 手を清潔にするための石鹸やアルコール消毒
- 環境の整備
- 赤ちゃんを安心させるため、静かで温かい場所で行います。
- 赤ちゃんを清潔なタオルの上に寝かせます。
- 潤滑剤を準備
- 綿棒の先端に十分な量のベビーオイルやワセリンなどを塗ります。
- 赤ちゃんの体勢を整える
- 赤ちゃんの足を軽く持ち上げ、排便しやすい姿勢(仰向けで膝を軽く曲げた状態)にします。
- 肛門への挿入
- 綿棒の先端を肛門に優しく挿入します(1~1.5cm程度)。
- 無理に押し込まず、赤ちゃんの様子を見ながら行いましょう。
- 刺激を与える
- 綿棒を軽く回すようにして腸を刺激します(10~20秒程度)。
- 力を入れず、やさしく動かすのがポイントです。
- 便が出るのを待つ
- 刺激を与えた後、おむつを装着し、便が出るのを待ちます。
- 便が出ない場合でも、数時間様子を見てください。
綿棒浣腸の注意点

- 1日に何度もは行わない:綿棒浣腸は便秘を改善する一時的な方法です。
- 痛がる場合は中止:赤ちゃんが痛がったり、血が出たりした場合は中止しましょう。
- 便は出ないけれどガスが出て楽になることもあります。
5. 病院受診の目安
- 5日以上排便がなく、いきんでいるが出ずに苦しい。
- 便に血が混じっている。
- 強い腹痛や嘔吐を伴う。
- 市販薬を使っても改善が見られない。
- 肛門が切れている、見張りいぼがある。
見張りいぼ:硬い便により、排便時に肛門が切れる、それが慢性的に繰り返されると肛門の裂け目のまわりの皮膚が「いぼ」のように盛り上がってきます。
これを「見張りいぼ」といい、慢性的な便秘のサインです。
大きなお子さんの便を見る機会は徐々に減っていきます。時々見せてもらうと安心ですね。

硬い便から始まり、排便の恐怖、便を我慢し、腸が拡張しさらに硬くなる
という、悪循環におちいります。そうすると便秘が慢性化して治りにくくなります。
特に2-3歳を過ぎるとこの悪循環に落ちいりやすいので、なるべく早く介入しましょう。
ぜひ適切な介入をして、スムーズに排便ができると安心ですね!



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