
同じ方向ばかり向いて大丈夫?頭の形ゆがんでない??
新生児や乳児における向き癖の発生頻度は、**約40%~50%**とされています。
特に生後1~2か月頃に最も多くみられます。
しかし、その中には放っておいてもよい向き癖と、しっかり治した方がよい向き癖があります。

この記事ではお子さんの向き癖の原因、向き癖のために起きてしまうこと、どんな場合に積極的に治した方がよいのか、をお話しします。
左右の偏りについての傾向:
- 研究によれば、右向きに首を向ける赤ちゃんの割合が多い(60~70%)と言われています。
これは、母親の利き手や赤ちゃんの寝かせ方、あるいは自然な反射の一環と考えられています。
1.向き癖が増加した背景

アメリカでも向き癖、それによる頭のゆがみの問題が増えてきているそうです。
1990年代以降、SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクを減らすために「仰向け寝」が世界的に推奨されるようになりました。
その結果、仰向けで寝る時間が増え、向き癖が目立ちやすくなったと言われています。
2.向き癖が引き起こす可能性のある弊害
- 頭の形のゆがみ(斜頭症)
- 常に同じ方向を向いていると、そちらにのみ圧がかかります。頭の骨が柔らかいため片側が平らになりやすい。
- 耳垂れ
- 向き癖のある方の耳にミルクかすやよだれが流れ込み、耳垂れの原因になる。
- 湿疹の悪化
- 圧迫されている側の皮膚に湿疹ができやすく、なかなか治らないことがある。
- 股関節脱臼
- 向き癖により片側のみ非対称性筋緊張性頸反射(ATNR)が起き、片方の足が伸びた状態になるため股関節脱臼の原因になりやすい。
- 筋肉の緊張や姿勢異常
- 首や体の筋肉が一方向に引っ張られるため、姿勢や運動発達にも影響が出る場合がある。

向き癖による頭のゆがみに関しては、こちらに詳しく記載しています。ぜひ参考にされてくださいね。


耳垂れに関してはこちらも参考になさってくださいね。


4番の股関節脱臼と向き癖の関連がいまいちよく分からないです。
生後4か月までの赤ちゃんは非対称性筋緊張性頸反射(ATRN)という反射がありますね。
お子さんの向く方の腕と足が伸び、反対側の腕や足は曲げている・・フェンシングのポーズの反射です。下の図のように、右側の向き癖があるお子さんは、右側の腕と足が伸びている状態になります。

股関節脱臼の予防にはM字の肢位が大切ですが、右側はM時ではなく伸びてしまっています。

そのために右側の股関節脱臼が起きやすいんですね。
股関節脱臼が疑われるお子さんは、向き癖をしっかり治すことも大切です。

多少の向き癖があっても上のような弊害がなければ問題ないでしょう。しかし上のような弊害が出てきているのであれば、積極的に反対側を向くようにした方がよいですね。
3.向き癖はどう治す?
- 寝かせ方を工夫する
- 赤ちゃんの頭を反対方向に向けるように意識する。
- ベッドの位置を変えたり、興味を引くおもちゃを別方向に置く。
- みんなが集うリビングを向き癖と反対側にする。
- 授乳姿勢を調整する
- 授乳時に赤ちゃんが反対方向を向くように抱く。
- 抱っこの工夫
- 向き癖とは逆方向に首が向くよう、抱っこの仕方を工夫する。
- 腕の中で赤ちゃんの姿勢を適宜変える。
- タミータイム(うつぶせ遊び)
- うつぶせ姿勢で遊ばせる時間を増やすことで、首や背中の筋力を強化。
- 赤ちゃんが顔を左右に動かす習慣がつきやすくなる。
- お腹の動きもよくなり、便秘にも効果があります。
- 専門医の診察を受ける
- 向き癖が強い場合や頭の形がゆがんできた場合は、専門の小児科医に相談。
- 理学療法士の指導のもとでマッサージや運動療法を行うことも効果的。
まとめ
向き癖は半数の赤ちゃんに起きうる、よくある症状です。
みんながみんな積極的に治す必要はありませんし、生後3カ月を過ぎれば自力でも首をしっかり動かし、寝ている時間も短くなるので、自然と改善することも多いです。
今回の記事では、中でも積極的に向き癖を治すようにした方がよい例を紹介しました。
何か疑問があればご相談くださいね。



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